ロッテのキャンディ「小梅」ちゃんの恋物語がアニメになって欲しいって話。

 

初めましてこんにちは。なゆたろうと申します。はてなのアカウントを取ったはいいけど今までこれといってブログにしたためるような話が思いつかなかったので実に数ヶ月に渡って放置しておりましたが、今回ようやっと心から描きたい話題が出来たので僭越ながら語らせてください。

 
この記事ですが、まぁ大体タイトルで語った通りの内容なのですが、小梅ちゃんと言うのはあの小梅ちゃんです。
 
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ロッテのキャンディ「小梅」
 
何を隠そう私は2004年、当時小学5年生からの小梅ちゃんファンです。この2004年というのがまた、小梅ちゃんにとっては特別なアニバーサリーイヤーだった年でして、1974年に新発売した小梅ちゃんが世に出て30周年という記念の年でありました。記念にこんな本まで出ています。
 

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「小梅ちゃん 初恋すとおりい」(2004年刊)
著:林静一
ISBN:978-4907816124
 
恥ずかしながら、発売当時初版で買った本な上、何度も読み返したものなのでかなり年季が入ってしまっています。背表紙の付近に至ってはカバーが破れてかけていますね…当時の自分の物の扱いの至らなさが伺えて死にそうになりましたが、とりあえず私がいかに小梅ちゃんに入れ込んでいるかはご理解いただけたことかと思います。
 
どうしてここまで小梅ちゃんに惹かれたかと申しますと、私が小梅ちゃんを知った当時。
「小梅」のパッケージ裏では小梅ちゃんを主人公にした恋物語が連載されていました。
 
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パッケージのちょうどこの位置ですね。現在は小梅ちゃんと、彼女の想い人である真様の馴れ初めとスマートフォンサイトの紹介が掲載されていますが、2000年代初頭はこのスペースにパッケージごとにお話がどんどん進んでいく「小梅恋物語」なるものが連載されていたのです。
小説担当は吉元由美さん。
吉元由美さんと聞いてピンと来ない方もいるかと思いますが、平原綾香さんの「Jupiter」や、魔女の宅急便の「海の見える街」にボーカルをつけた井上あずみさんの「めぐる季節」などを作詞された著名な作詞家さんです。
 
私が買い始めた2004年はもう既に連載が完結してしまって、田舎のスーパーに恋物語掲載版の在庫が何点か残っている程度だったのですが、上記の「小梅ちゃん 初恋すとおりい」に今までの連載を再編集したものが完全収録されまして(しかもパッケージデザインを手がけた林静一先生のイラスト付き)、幸運なことに私はこの本で「小梅恋物語」を読むことができました。
  
 
 
…いやこれ、本当にキャンディのイメージキャラクターのオフィシャルストーリーなのか?!というほど設定も凝っていて一筋縄ではいかない、身分の差や政略結婚など恋路に立ちふさがる壁もあり、周囲の人々の思惑も複雑に絡み合ったラブストーリーです。
ちなみにネタバレにはなりますが、バッドエンドです。
 
 
 でも…確かにそうですね。CMで「切なくて会いたくて〜私の〜〜恋心〜〜♬」って歌っていて、パッケージの小梅ちゃんはいつも物憂げで心が揺れているのにこれで頭のネジが緩みそうなハッピーウレピーサクセスリア充ストーリーだった日にゃ多分私は小梅のパッケージをダストボックスにシュートします。
 
しかも私が小梅ちゃんを知ったのは小学5年生の頃でして、当時私も含めて小学生女児はりぼんやちゃおなどに掲載される約束されたハッピーエンドストーリーに慣れ親しんでいたわけです。そんな私が、小梅ちゃんに興味を持って意気揚々と「小梅恋物語」を読んでみたら、
 
まさかのバッドエンドですよ。
 
いや、誰かが死ぬわけではないからそこは安心して欲しいんですが、恋の物語は必ず結ばれて終わると信じ込んで生きていた11歳児にはかなり鮮烈な体験だったんですね。言うなれば洗礼を受けたような気分でした。
だけど不思議と胸糞悪いとか悲しい辛いとは思えず、結ばれることはないけれどお互いが自分の未来に向かって歩き出す清々しささえ感じる爽やかな結末に心なしかホッとさえしました。
 
そんなわけで簡単に登場人物紹介。
 
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小梅ちゃん
明治生まれの15歳
東京・小石川育ち
かに座・B型
ちょっぴり内気な性格で、趣味はかんざし集め。
植木職人の父・松造、姉のお松と竹子の4人家族。早くに母を亡くし、一家の家事を一手に引き受ける彼女は料理が得意。裁縫はお稽古中。
(公式サイトより引用)
 
言わずもがな小梅のパッケージに描かれた彼女で、この物語の主人公です。結構細かい設定がなされているんですね。ひたむきで素直な優しい心持ちの女の子です。人の気持ちに敏感で、真さんの一言の挨拶で彼の感情を汲み取ることも。松造パッパに身分の違いから真さんに会うことを反対された時に、一人前の女性になろうとして家事を頑張って裁縫教室に通い始めます。かわいい。ただただかわいい。今時こんな発想する女の子いる?いや、いないね。
公式に美人設定で、物語の後半で居候先の神戸のパン屋さんの常連であるイケメン医大生・渋沢さんに言い寄られます。
 
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綾小路 真さん
明治生まれの17歳
東京育ち
さそり座・A型
まじめで文学をこよなく愛するロマンチスト。
名家綾小路家の御曹司であり、旧制高校で経済を学んでいる彼は、経済をさらに学ぶため英国への留学を夢見ている。乗馬が得意。
(公式サイトより引用)
 
この人が小梅ちゃんの恋のお相手。おぼっちゃまです。小梅ちゃんのお父さん・松造が彼の実家である綾小路家で庭木剪定の仕事をしていたことから2人は知り合います。が、話が進むにつれてだんだん優柔不断で意志が弱い面が浮き彫りになり「おまっ……真ぉおおお!!!!」となる場面が増えます(※個人の感想です) 。また、変なところで想像力が豊かな人です。中盤で家が経済的にヤバいことになってしまい、政略結婚させられそうになるのですが…?
 
 
 
おもにこの二人がメインで話が進みますが、物語を彩る脇役たちもまた魅力的な存在であります。思うようにいかない二人の恋路ではありますが、決して意地の悪い悪役が登場するわけでも無いのがこの物語の魅力の一つでもあります。
 
 
 
松造
小梅ちゃんのパッパ。植木職人。決して松野という苗字でも、六つ子のいる家庭の大黒柱でもありませんので悪しからず。
奥さんが早くに亡くなってしまい男手ひとつで3人(※)の娘を育て上げた結果、思春期の娘の初恋にいち早く気付く親父の勘を手に入れました。
身分の違いから小梅ちゃんが真さんに会うことに反対していますが、のちに考えを改め娘の想いを尊重するようになる、この時代にしてはかなり物分かりのいい親父さん(一応公式は頑固親父設定)。ちなみに物語の後半で仕事中に転落事故に遭ってしまい、意識不明の重体になります。
(※)本編での出番こそ少ないですが、小梅ちゃんには「お松」「竹子」というお姉さんがいます。
 
美智代さん
何故イラストが出ていないのか不思議で仕方ない、物語後半のカギを握る重要人物。この時代にしては珍しく、洋服を着ています。
良家の娘で真さんの婚約相手なのですが、それを抜きにしても真さんに惚れているようです。明るく芯の強い女性で、立場的には恋敵にあたる小梅ちゃんを訝しむどころか初見で「愛らしさに心打たれ」、直接邂逅を果たした際には「(真様が)あなたを忘れられない理由がわかるような気がします」とまで言ってしまいます。めっちゃいいひと。私の推し。頼むから幸せになってほしい。
 
渋沢さん
物語の中盤から登場するイケメン医大生。
神戸の親戚が営むパン屋を手伝う小梅ちゃんに惚れ込み、大学の帰りに毎日パンをひとつ買って小梅ちゃんの顔を見る事で癒しを得ていたスt……イケメン医大生です。
のちに店内で直接小梅ちゃんをデートに誘い、喫茶店に連れて行くなどして頻繁にアタックしますが、小梅ちゃんは途中で彼に真さんの面影を重ねてしまっていることを自覚し、渋沢さん自身の気持ちに応える事は出来ませんでした。しかし失恋しても不貞腐れることなく小梅ちゃんを思いやるジェントルマンです。
 
真さんのお友達
公式に名前が登場しない、真さんのお友達。物語中盤、婚約を控えた真さんのために身を引いた小梅ちゃんが故郷を離れる際、実家に知られず小梅ちゃんと文通しようとした真さんが連絡して欲しいと言って渡した住所の本来の住人(いやほんと潔く身を引いた女の子の思惑も考えずに何やってんのって話だよね真さんェ…)。
真さんの良き理解者らしく、2人のお手紙のやり取りの為に快く住所を貸したものの真さんには「このままでは小梅ちゃんも美智代さんも傷つける」と忠告したり、小梅ちゃんに自分は真の友人であると明かして綾小路家の置かれた現状を本人に代わって知らせてくれたりした有能な方です。
 
 
とりあえずセリフもあって話でメインになる人はこの辺りでしょうか……
 
いや、こんなに人おったんかい!!ってなりますし、美智代さんとか渋沢さん誰?!小梅ちゃんと真さんしか知らんけど?!!となる気持ちも十分にわかります。わかりますとも…
 
しかし、これだけの方々が織りなす人間ドラマこそが小梅ちゃんの世界観を一層引き立て、味わい深いものにしているのです。
 
現在公式サイトでは本に収録された部分を簡潔にまとめたものが公開されていますが、こちらには登場しないキャラクター(渋沢さんとか渋沢さんとか渋沢さん)もいるので出来る事なら書籍でご覧になって欲しいところです……。
 
と思っていましたら、こちらのサイトさんではパッケージ掲載当時に採集した「小梅恋物語」を文字に起こして公開してくださっていました…!
公式ホームページ版でカットされてしまった物語の本文も一部を除き掲載されておりますので、是非この記事を読んで興味の湧いた方はご覧ください。管理人さんのツッコミもかなり的を得ていて素敵です。
 
しかし、キャンディのイメージキャラクターに留めておくにはかなりもったいないほどに、世界観が完成しています。ここまで見事にキャラクターの設定も時代背景に合わせた物語の展開もしっかりしているというのになぜアニメ化しないのか…と私は長年考えているわけです。
 
真さんは2004年に放映されたバージョンのCMでは森田成一さんが声を当てています(ラストの「小梅ちゃーん!」の声)。
渋沢さんは私の中では宮野真守さんのイメージで、ライバルでありながらもいい女・美智代さんは沢城みゆきさんが演じるとそれは大人のお姉さんみが増して良きかなと思っています。
主役の小梅ちゃんに関してはもうどんな方が演じて良いのかわからないのでいっそ林静一先生や歴代のCM制作などに携わったディレクターさんなどを審査員にお迎えして発掘オーディションをするのも大いにありなのではと思っているところもあります。
 
どうでしょう、私は是非大正ロマンあふれる儚い恋の物語を是非アニメーションで見たい。
劇場公開用の長編映画でも良いし、1クールのテレビアニメでも全然良い。
 
実写でドラマ化、映画化してほしいなんて思いません。
だって私が見たいのは林静一先生がキャラクターデザインを手がけたこの小梅ちゃんが!!!!!!!
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 動くところなのですから!!!!!!!!!
 
 
…すみません取り乱しました。
小梅ちゃんが動くことがあるとしたら恐らくこんな感じになるかと思いますので、参考までにこちらの動画をご参照くださいませ。

www.youtube.com

 

何となく世界観は伝わったでしょうか…?

ともかく、もしこの記事をアニメ関係者各位、もしくはロッテの広報関係者の方が見て下さっていたら、今すぐにとは言いません。

 

「小梅恋物語」のアニメ化をご検討下さい!!

 

2019年で小梅ちゃんが世に出て45年の節目を迎えます。

きっとなにかしらアニバーサリーイヤーにふさわしい企画が立ち上がるのではないかとは思うのですが、そのひとつにアニメ化などのメディアミックス展開があったらもううれしい限りでございます。

長く愛され続けた小梅ちゃんらしい展開を期待しております。小梅ちゃんはいいぞ。

 

 

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余談ですが、小梅ちゃんを食べながらこの記事を書いていたのですが、無意識のうちに一袋の中にひとつだけしか入っていなかったちょっとレアな真さん個装を開けてしまいました。少し残念な気持ちです……('、3_ヽ)_